2017年06月02日

死者とししゃの呼び声



ミズメ:これはこれは、いかにも黒い魔術やってますって言いたげな所だね。





ナーシラ:……ようこそ、動死体リヴィングデッド

ミズメ:へえ、やっぱわかるもんなんだ。さすが本職といったところかね。話が早そうだ。

ナーシラ:……貴方の用件は?

ミズメ:早い話が、死んだらしいアタシがなんでこうして動いてるのかわかれば知りたいってところだね。

ナーシラ:……ふむ。貴方は面白い。

ミズメ:何が面白いのかわかんないから。

ナーシラ:丁度いい。わたしもその話をしようとした。

ミズメ:へえ。是非聞きたいね。





ナーシラ:わたしが興味を持ったこと。

ナーシラ:まず貴方が動死体リヴィングデッドであること。

ナーシラ:そしてその容れ物も死体であること。貴方ではない、別の誰かの。それも、随分と古い。

ナーシラ:その身体は、遠い昔に死んだ誰かのもの。そして貴方も、死んだもの。死体に別の死人が宿った動死体リヴィングデッド

ナーシラ:……あまり聞いたことがない。妙な真似をする物好きな同業者もいたものだ。気になって貴方に使われた死霊術の魔力を追跡してみたら何処にも繋がっていなかったこと。

ナーシラ:使役物と術者は魔力で繋がる。その線は力量次第で細く、薄くすることはできるけれど消えることはない。

ナーシラ:……つまり、貴方を操る術者がいない。術者は死んでいて、それでもなお動き続ける死体人形を作ったのか。それとも、他に何かあるのか。わからない。

ナーシラ:貴方は生者ではないが、死者としても実に、おかしな存在だ。





ミズメ:つまりそれ、アタシが変ってことだけで他はよくわからないってことじゃないの?

ナーシラ:そうなる。ただし、何もかもわからないわけではなく、わかった上で何故そうなるのかがわからない。

ミズメ:下手したら何も分からないより性質が悪いじゃん。

ナーシラ:……貴方、いつ、どこで、何故死んだ?

ミズメ:それがわからないから苦労してるのさ。残念ながらノーヒント。アタシは一度死んで記憶がさっぱりなくなったようでね。気が付いたらどこかの湖のほとりに寝転がっていた。

ナーシラ:……。そう。

ミズメ:しかしこの身体が別人のものねえ? 髪と目の色はこんなんじゃなかったと思うけど、顔のつくりや体格はほぼ同じなのか違和感が無い。いわゆる他人の空似ってやつでは、世界には自分のそっくりさんは3人はいると言われているらしいけどここまで一致するもん? ま、変な羽と尻尾があるから確かに違うと思うけど。

ナーシラ:……偶然か何らかの意味があるのかも謎。

ミズメ:ま、なんとなくわかったよ。やっぱりアタシは記憶と、自分の死因を知る必要がある。

ナーシラ:……何か分かったらわたしもまた話を聞きたい。

ミズメ:それはどうも。一応他にも聞き込みしてみるけどね。ま、面白い話をありがとう。

ナーシラ:……こちらこそ。












『愛されたもの。奈落の加護。楽園の加護。いけなかったもの。楽園を望んだ奈落。掟を破り、どこにもいけなくなってしまったもの。』

posted by 黒鳥なしら at 00:00| Comment(0) | 彼らの日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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