2017年08月16日

贋具の塔<5.贋具の塔と月女>



ダルセージ:死霊術師ネクロマンサー……天界の魔女、か。やっべ、緊張するなあ。





ダルセージ:てか、庭すご。俺もこのくらい頑張ってみようかな? 園芸好きとしては負けてられないよなあ。

少女の声:誰かいるのか?

ダルセージ:!





カル:客人か? 珍しいな。何か用か?

ダルセージ:あ、えーと……。ここに死霊術師ネクロマンサーの方がいると聞いたものですが……貴方の事でしょうか?

カル:ん、ああ。あいつの客なのか。あたしはただの従者だよ。それで、アポはとってあるのか?

ダルセージ:え、アポ? マジで? えーっと……。





カル:あー、すまん。そんな気難しい顔をするな。てか、よく考えたらあるわけないな。あいつ引きこもりだしな。

ダルセージ:そ、そうなんだ。

カル:それで、あいつに用があるんだな? 1つ確認するが、あいつをどこかに突き出そうとか、そういう輩ではないんだな?





ダルセージ:あ、はい。それは大丈夫です。私はとある仕事斡旋所からの情報を頼りにここにやって参りました。ここの主に用があります。話は通るでしょうか?

ダルセージ:(どこかに突き出すって何だよ!? そんなヤバいことやってんのかよ。大丈夫かな、人選ミスったかなあ……)

カル:了解。ではちょっと確認してくるからちょっとまtt

死霊術師:……いい。通して。

ダルセージ:……へ?





カル:おいおい、なんだよ! 聞いてたんなら最初からそうしてろよ! ……あぁもう。ほら客人、そういうわけらしいので早く行ってこい。

ダルセージ:えーっと、ありがとう?

カル:ああ。礼には及ばんよ。





カル:あたしはここにいるよ。心配しなくても立ち聞きなんて野暮なことはしないさ。あいつと話って、どうせろくでもない会話だろ?

ダルセージ:……アハハー。

カル:そんなわけだ。ああそうそう。会話のテンポが悪かったり、言い回しが意味不明だったり、そもそも会話が成立しなかったりしても心を折るなよ。

ダルセージ:……?












ナーシラ:……。初めまして。いらっしゃいませ。

ダルセージ:ええと、初めまして。

ナーシラ:……。この間の動死体リヴィングデッドといい、最近は実に妙な客人が多い。

ダルセージ:え?

ナーシラ:……それで、御用、何?

ダルセージ:え、あ、ああ。えーっとまず、この会話、大丈夫ですよね?

ナーシラ:……そういったことには細心の注意を払っているつもり。外でカルちゃん……わたしの従者も見ている。問題ない。

ダルセージ:そうですか、ありがとうございます。







ダルセージ:……。単刀直入にお話します。

ダルセージ:私は"ヒトを化け物に変える薬物≠ノついて調べています。

ダルセージ:これまでアルケミストギルドで情報収集をしておりましたが成果がなく、どちらかというと死霊術師ネクロマンサーの領域であると聞いてここに至りました。





ナーシラ:……。

ダルセージ:……。

ナーシラ:……。

ダルセージ:……。……えーと、やっぱまずかったかな……。

ナーシラ:……。……例えば「鬼の札」。しかしあれは魔法物であり、そしてそれを使用したとしても、鬼の姿になれるのは限られた時間内のみ。

ダルセージ:……え。

ナーシラ:……。……例えば「想いの力」。しかしどちらかといえば貴方は、これは……。

ダルセージ:……。





ナーシラ:……。貴方の求めるものは。「その個体を完全に別の種族に、不可逆的に変化させるもの」の類。

ダルセージ:……えーと。なんというか。わかるんですか、やっぱり。

ナーシラ:……わかる。非常にわかりやすい。だから話を聞こうと思った。

ダルセージ:……アハハー、やっぱりか……。

ナーシラ:……何に使うつもりか。







ダルセージ:……。私はそういった薬剤などを解析して、解毒剤を作りたいのです。

ダルセージ:もちろん内容が内容だけに、信じてはもらうのは難しいと自覚はしています。

ナーシラ:……。そう。救えると良いな。

ダルセージ:!!





ナーシラ:……。興味が湧いた。手を貸そうと思う。

ナーシラ:しかし、わたしの専門ではない。確かに死霊術師ネクロマンサーの後ろ暗い者どもの中でそういった薬物が流通しているという話を聞いたことがあるが、その程度に過ぎない。もちろん現物など持っていない。

ナーシラ:……何かわかったら伝える。

ダルセージ:本当に、本当にありがとうございます……!

ナーシラ:……わたしはナーシラ。ナーシラ・ルナジャイル

ナーシラ:わたしは仮説を立てているが、合っているか。……貴方のことをもっと聞かせて欲しい。

ダルセージ:話せることでしたら。えーと、俺は……なんだっけ……。





ダルセージ:ああ、そうそう、そうだった。 ダルセージ・ソルビックと申します。よろしくお願いします。



>>「塔の影を踏む」

posted by 黒鳥なしら at 00:00| Comment(0) | 企画/連動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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