2017年11月27日

贋具の塔<6.1.塔と戦車の邂逅>



ダルセージ:やけに割のいい荷物運搬の仕事だけど、大丈夫かなあ。





ダルセージ:えーと、ここを曲がって、それから……。

セルグ:……ったく、どうするかねえ……。

ダルセージ:……ぶつぶつ……。

セルグ:……ぶつぶつ……。

ダルセージ:……!! え、あっ、やば、人……っ!?

セルグ:……!?



ドン!!






セルグ:……ってて……。

ダルセージ:うっは、やらかした……すみませんっ、ちゃんと前見てなくて……。

セルグ:いや、こちらこそすま……ん……。

ダルセージ:大丈夫ですか? 怪我とかないですか?

セルグ:……あー、いや大丈夫だ。そっちは平気か?

ダルセージ:大丈夫ですよー、身体だけは頑丈なもので。立てますか? 肩貸しましょうか?

セルグ:いや、問題はない。雪牙、お前は……。

雪牙「ぐるる……。」

セルグ:雪牙?





雪牙「ヴゥ……がうがうがうがうっ!」

ダルセージ:おお、おおお? なんか俺、めちゃくちゃ吼えられてる?

セルグ:雪牙!? どうした、何言ってんだ、いや落ち着けって!

ダルセージ:……えーっと……怒らせた? ご主人様傷付けたからしゃーないか。ごめんよー。

セルグ:い、いやそういうので吠えてるわけじゃ……あー、もう。ステイだ雪牙!

雪牙「……ぐるぅ」





セルグ:……ったく。悪ぃなあんた、ちょっと興奮してたみたいだ。

ダルセージ:いえー、こちらこそすみません。全然前を見てなくて……アハハ……。

セルグ:いや、こっちも余所見してたからな。

雪牙「……ぐるる」

セルグ:……雪牙、コラ。 すまんな、普段はもっと大人しいんだが……。

ダルセージ:気にしないでください。あーあ、動物に嫌われるとちょっと凹むなー……はあ。良い子なんですね。

セルグ:今はあんまり良い子じゃないけどな……。

ダルセージ:いいなあ、動物。あ、やっべ仕事の途中だった。すみません、行きますね。失礼しました。

セルグ:あ、あぁ悪かったな。それじゃ。







セルグ:あー、吃驚した……。あの顔、ダルセージ・ソルビックだよなやっぱ。雪牙、お前さっき変なのって……よくわからん? 何だそりゃ。俺にも分からんよ……強いて言えば見た目より声が低いくらいかね……んー、何だろうな……。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜







ダルセージ:あーあ、不在不在。大体不在だよねこういうときって。とりあえずもうちょい時間経ったらまた行ってみるし、不在通知は入れてきたけどさー。

ダルセージ:……って、あれってもしかして……。







ダルセージ:さっきの……まだここに?

セルグ:……お、おう。

ダルセージ:まさか、やっぱりどこか痛めてて動けないんじゃ?

セルグ:いや、単にこいつ落ち着かせてただけで怪我とかで止まってたわけじゃないさ。

ダルセージ:そっかー、それならいいんですけれど。

セルグ:……あんた、仕事の途中って言ってなかったか?

ダルセージ:ああ、それか。いやー荷物の配達の仕事してたんだけど、家の人が不在だったので引き返してきました。

セルグ:そりゃ災難だったな。

ダルセージ:もう少ししたらまた行ってみようかなーって思ってますけど、中途半端に時間できちゃったなあ。今からどうしようかなー。





セルグ:(さて、うっかり接触しちまったが……随分お喋りな奴だな。あの女の提案に乗る様で癪だがいっそ仕掛けるか……?)





セルグ:あー……時間が余ってるなら一緒に食事でもどうだ。さっき俺の狼がやらかしたし、詫びに奢らせてくれ。

ダルセージ:え……え? えーっと、やらかしたのってどっちかっていうと自分のほうなんだけど? 気にしなくていいさー。

セルグ:いや、不注意でぶつかったのはお互い様だからな。

ダルセージ:それならそれこそ自分も奢りたいんだけど、ちょっと今金がなくてなー。大体さっき初めて会ったばかりの人にそんなことさせr(ぐぅ)

ダルセージ:……。

セルグ:……。腹が鳴ってるようだが。

ダルセージ:うっわー、めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど!? てかもう腹減ったのかよ……。

セルグ:飯に困るほど金欠って大変だな。

ダルセージ:アハハー……ただでさえ金がないのに、燃費悪いのか食べても食べてもすぐ腹減るんでもう困るんですよね。これでもさっき食べたばっかりなのになー。まあ最悪水さえあれば何とかなると思うから大丈夫さー。

セルグ:……。いや、水だけでもつのは限りがあるだろ。詫びもあるが、空腹で倒れられても寝覚めが悪いから遠慮は無しだ。

ダルセージ:それは、その……。……。……。……本当にいいんですか?

セルグ:ああ、そっちが問題なければだが。

ダルセージ:ありがとう。本当にすみません。必ず、お詫びとお礼しますから。

セルグ:気にしないでくれ。じゃ、適当に店でも入るとするか。

ダルセージ:お世話になります。





セルグ:(何というか、本当に凄く喋る奴。しかし雪牙の言った『変なの』って何だろう。見た目の割に声が低いし、体格の割に大食いらしいし……全体的にちぐはぐで変な奴だな)

posted by 黒鳥なしら at 00:00| Comment(0) | 企画/連動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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