2018年04月18日

贋具の塔<6.4.塔と戦車の協力協定>



ダルセージ:ところでトレハンの人って、どんなものを珍しいとかお宝って思ってるの?





ダルセージ:トレハンの人っていうかセルグさんは、かな。

セルグ:んー、お宝なあ。具体的なものなら、よくあるのはダンジョンで見つかったりモンスターが持ってる珍しい装備品とか消耗品あたりかね。

ダルセージ:へえ、いいなあ。俺は戦闘はそこまでだから、あんまり効率よく狩りできないんだよね。

ダルセージ:珍しい装備品とか消耗品の話聞きたいな。俺もいろいろ探してるものがあってね。って、俺が珍しい話をしないといけないのか。

セルグ:ま、話はあったらで良いから、別になければ気にしなくてもいいんだけどな。

セルグ:珍しいやつなあ……具体的にというと中々出てこんが、装備品なら装備したら力が強くなるとか、体力が大きく増えるやつかね。消耗品は種類が多いが……変わったスクロールからトンチキな薬まで結構色々だな。





ダルセージ:なんか面白そうだね。そういうのってやっぱ全部試してみるの?

セルグ:んー、危険性がなければ試すかね。装備品とかはそんな危険なものはないしな。消耗品の類いは変なものがたまに混じるから自分で試すのはちょっとだが。

ダルセージ:消耗品は確かに変なのあるよねー。特に薬系。単純に不味いのから、腹壊すのまであった気がする。

セルグ:毒薬とか普通に混ざってるからなあ……。

ダルセージ:透明になれるとか、モンスターに変身するとか、そんなんもあったっけ?

セルグ:透明やらモンスターやらは札の類いにはあるが、薬はあまり聞かんな。

ダルセージ:……あれ、そうだったっけ? そんなのなかったっけ? 俺の記憶違いかな。

ダルセージ:ま、その手の薬って札とかスクロールと違ってなんかやばそうだよね。時間経っても戻れなさそうだし。

セルグ:ああ、確かに薬だとそうなるかもな……俺が見たことあるやつは、トンチキって言っても笑い話で済むような物が多かったけども。





ダルセージ:……なにそれ。見たことあるの?

セルグ:ん?  ああ、大したことないやつなら。スキャルプエッセンスかと思ったら髪が変な色になったとか、爪が異様に伸びるとか。まあ、笑い話だな。

ダルセージ:あ、ごめん。笑い話で済むやつか。笑い話で済まなかったやつって聞き間違えてたー、あはは。良かったね、その程度で。

セルグ:まあな。もっとえげつないものも見たことはあるが、間違えて使ったことはないのは、幸いかね。

ダルセージ:もっとえげつないもの? 笑えない話自体はあったってこと?

セルグ:あー、まあ20年ちょっと色々やってればそれなりには。

ダルセージ:へえ、例えばどんなの?……って、結局俺が話聞いてばっかりだな。

セルグ:……やー、別にそれは良いけどもあんまり聞いて楽しい話じゃねえからお勧めはせんぞ。好奇心ならやめとけ、食べたもの吐くのもあれだし。

ダルセージ:んー、そういうのの耐性はそれなりにあると思ってるから大丈夫ー。お気遣いありがとね。それで?

セルグ:え、聞きたいのか……?  割とオススメはせんぞ?

ダルセージ:そこまで言われると逆に聞きたくなるよねー。むしろ話したくないなら無理はしなくていいよ?

セルグ:途中まで聞いたら聞きたくなる気持ちは分からんでもないが……そうだな、飲んだ直後に腕が腐り落ちるとかは結構グロかったなあ……。





ダルセージ:おー、それはなかなかグロいな。へえ、特定の部位だけを壊死させる、ねえ。

セルグ:もっとやばいのも無くはないが…...そこまで多くは知らんな。基本、一部以外じゃ出回るものでもないだろうし。

ダルセージ:......出回ってるとしたら、そういうのを拾ったトレハンがちょっと黒いルートで流してるとか、そういう感じ?

セルグ:まあ、出回ってるとしたらそんな感じじゃないかね。騎士団に見つかったらまずそうなものでも欲しがる奴はいるっぽいし。

ダルセージ:そうなんだー。そんな世界や物品もあるんだな。知らなかったよ。

セルグ:……犯罪沙汰になりかねんから、知らない方が良い世界だとは思うけどな。

ダルセージ:そうかもねー。





ダルセージ:でも、そういうブツで遊んだり、仕方なく頼るしかない人もいるんでしょ。

セルグ:ま、我欲なり仕方なくなりで需要があるから禁制品の裏取引だのがあるんだろうな。

ダルセージ:そういう、犯罪沙汰を起こさないといけないとどうしようもなくなった人ってどうすりゃいいんだろうね。

セルグ:犯罪沙汰を起こさないと生きていけない奴、なあ。是非はともかく、どうしようもないならバレないようにするしかないんじゃないかね。……しかし随分ムキになってるようだが、どうかしたのか?

ダルセージ:……えっ、俺? そう?

セルグ:……何か犯罪沙汰に関わる予定でもあるのか?

ダルセージ:いやー、それちょっと、うんとは言えないでしょー。……俺だってできれば関わりたくないし。

セルグ:……どうしようもないならそれも手かもしれんが……さっきの話でムキになったってことは薬品系か? それなら発掘品より専門家のがよくないか?

ダルセージ:え、ああ、まあ、うん、専門家にはもちろん当たった後だよ。もちろん手がかりなし。もう、そういう怪しい発掘品とか探すしかないのかもなって。

セルグ:なるほど。それなら仕方ないが……因みに、どんな系統が欲しいんだ? 発掘品なら手元にあるやつも一応あるが。

ダルセージ:……。





ダルセージ:ごめん、ここまで喋っといてなんなんだけど、言ってほんとに大丈夫? どっか突き出されたりしない?

セルグ:さてな。少なくとも俺は騎士団員じゃねえし、善意の通報者になる気もないが。

ダルセージ:……。欲しいのは、薬品。作用系統は、変化系。

セルグ:変化系なあ。力とか思考力とか中身のか?

ダルセージ:全般。

セルグ:全般? んー、いまいちピンと来ないが、お前さん、何か具体的な目星があるのか?

ダルセージ:全般だよ、力とか思考力はもちろん、姿かたちも変わる。変身薬ってやつ。

セルグ:変身薬……あれか、例えば獣の姿になれるとかそういう感じのか?

ダルセージ:ああ、そうそうそんな感じのやつ。あるかな?





セルグ:……手持ちには無いが、入手したことはある。何処に渡したかも分かるから回収は可能だな。

ダルセージ:それ、本当なら割と欲しいんだけど……欲しいって言っても大丈夫?

セルグ:……何に使うかによる。世間話の話題くらいならまだしも、流石に目的も分からず無責任に渡せる代物じゃない。

ダルセージ:ま、そうなるよねー。……成分解析だよ。ちょっとそういうの使って戻れなくなっちゃったのがいてね。なんとかしたいなと。

セルグ:ん、成分解析って、あんたアルケミストか何かなのか?

ダルセージ:ん、ああ。そうだよー。アルケミストギルドでずっと情報収集してたけど、さっぱりでね。だから専門家には当たった後なんだよ。もう正攻法じゃ難しくて、そういう発掘品とかを探さなきゃいけないのかなって思ってたとこ。

セルグ:なるほど……。んー、あんたの薬の使用目的は成分解析……というか、解毒剤の精製なのか?

ダルセージ:ああ、そうなるのか。そういうことだね。元に戻す手がかりにならないかなーってね。どうかな?





セルグ:そういう目的なら回収してくる自体は構わんが……本当にそれだけか?

ダルセージ:あ、やっぱ疑われてる? そりゃ難しいとは思ってたけど。

セルグ:まあ、口では何とでもだからな。丸っきり嘘だとは思ってねえけど。

ダルセージ:あははー、難しいよね。悪用するのもいるだろうし。俺が解毒剤なんて作っちゃったら、そういうことで金稼いでる奴が困るだろうしな。

セルグ:性質の悪い奴は何処にでもいるしな……金稼ぎに関しては困れば良いと思うからどうでもいいけども。

ダルセージ:それに関しては俺も同感。むしろそういうのに徹底的に嫌がらせしてやりたいって思うくらい。

セルグ:意外に過激だな。嫌がらせは危ないからおすすめはせんぞ。

ダルセージ:あははー。やだなあ、目的はそっちじゃないって。あくまで俺は戻る方法探してるだけ。

セルグ:なるほど、その結果で嫌がらせになるなら万々歳ってことか。

ダルセージ:そういうこと。俺もそういうので遊んでるやつは腹立つし。目的はこんなもんだけど、どう?

セルグ:んー……まあ、矛盾は感じねえしとりあえず回収はしておく。

ダルセージ:やったー、本当にありがとねー。この食事も含めて何か御礼がしたいんだけど……ごめん、金が貯まったらになっちゃうかな。

セルグ:んや、そこは別に気にしなくていいさ。何かしら面白い話でも聞くことがあったらまた教えてくれ。

ダルセージ:うん、ありがとう。じゃ、そろそろ金稼ぎに戻りますかってことで配達行ってみようかな。

セルグ:ああ、そいや留守だっけか。今度はいるといいな。

ダルセージ:そうだねー。それじゃ、またね。

セルグ:おう、気をつけてな。

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ダルセージ:この家だったかな。さて、帰ってきてるかなー?

琥珀「うー……きゃうきゃう、きゃんっ」

ダルセージ:!? お、狼!? な、なんかさっきもこんなことあったような……。

琥珀「きゃうきゃうっ」

セルグ:……琥珀? 何が来たって……うん?

ダルセージ:……あ。



<

セルグ:……。……えーっと。何で、此処に?

ダルセージ:……うーんと。お届けものですー。あーちゃん、じゃなくて「アールからケイニスへ」、だって。どうしたらいい?

セルグ:アールから、な……あの、蛇女め……っ!

posted by 黒鳥なしら at 00:00| Comment(0) | 企画/連動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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